「ついカッとなって相手を殴ってしまった。これって逮捕されるかも?」と不安に感じている方もいるでしょう。
喧嘩や口論がヒートアップするなか、つい手が出てしまうこともありますが、人を殴ってしまうと罪に問われる恐れがあります。
そこで本記事では、人を殴ってしまった場合どんな罪に問われるのか、逮捕されるケースや対処法などを詳しく解説します。
藤垣法律事務所は、500件を超えるさまざまな刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、喧嘩で相手を殴ってしまった際の解決事案も複数あります。
初回の無料相談も承っておりますので、喧嘩して相手を殴ってしまい、罪に問われないか不安に思っている方がいればぜひ下記よりご連絡ください。
目次
喧嘩で人を殴ってしまったらどんな罪になるのか
喧嘩で人を殴ってしまうと、主に以下のような罪に問われる恐れがあります。
- 暴行罪
- 傷害罪
- 傷害致死罪
- 殺人未遂罪
詳しく解説します。
暴行罪
暴行罪は、相手に実際にケガをさせる行為だけでなく、相手の身体に対して有形力を行使することで成立します。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
相手に傷がつかなくても、痛みや恐怖心を与えるほどの行為であれば、暴行罪と見なされる可能性があります。
また、暴行罪が成立するためには、故意に暴行を加えたという意思も重要な要素です。
たとえ一瞬の感情で手が出た場合でも、その行動が「故意」と判断されると、言い逃れが難しくなります。
殴る、蹴る、押す、引っ張るなどの行為は暴行罪になる可能性があるため、覚えておきましょう。
傷害罪
喧嘩の中で相手を殴り、その結果として相手にケガを負わせてしまった場合、法的には「傷害罪」に該当する可能性があります。
傷害罪は、刑法第204条で規定されており、他人に対して身体的な損傷や健康状態の悪化を生じさせた場合に成立します。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
ここでの「損傷」は、具体的に骨折や打撲といった明確な外傷だけでなく、痛みや腫れ、精神的なダメージによる健康状態の悪化なども含まれるでしょう。
軽微なケガに見える場合でも、相手の訴え次第では傷害罪として扱われるリスクがあるため、注意が必要です。
傷害致死罪
傷害致死罪は、刑法第205条で規定されており、他人に対して暴行を加えてケガをさせた結果、死亡という重大な結果を招いた場合に適用されます。
刑法205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
特に相手を死亡させる意図がなかったとしても、傷害行為の結果として死に至った場合に成立してしまうのが傷害致死罪の特徴です。
たとえば、喧嘩の中で相手を殴った際に転倒させ、その際に頭を強打して死亡してしまった場合などが該当します。
このようなケースでは、相手の死因が直接的な殴打によるものか、間接的な結果によるものであったかに関わらず傷害行為との因果関係が認められる限り、傷害致死罪に問われるでしょう。
殺人未遂罪
喧嘩の中で相手を殴った行為が、相手の生命を奪おうとする意思に基づくものであった場合、法律上「殺人未遂罪」に問われる可能性があります。
殺人未遂罪は、刑法第199条および第203条で規定されており、殺人の実行に着手したものの、結果として相手が死亡しなかった場合に成立します。
この罪が問われるには、行為者に「殺意」があったことが重要な要件です。
さらに、殺人未遂罪では、実際に相手が死亡していなくても、致命傷を狙った行動自体が重く見られます。
たとえば、強い力で殴打したり、武器を使用したりする行為がこれに該当します。
また、行為者が「結果的に死ななかっただけで、相手を殺そうとしていた」と認識される場合には、暴行や傷害ではなく殺人未遂として厳しく追及されるでしょう。
喧嘩で人を殴ってしまったら罪に問われて逮捕される?
喧嘩して思わずカッとなり、相手のことを殴ってしまった場合、逮捕されるか不安に思う方もいるでしょう。
結論、逮捕の有無はケースバイケースです。本項では、以下2つについて深掘りしていきます。
- 逮捕されるケース
- 逮捕されないケース
逮捕されるケース
喧嘩で人を殴ってしまった場合、逮捕に至りやすいケースは、逮捕する必要性があるかどうかです。
ここでいう逮捕する必要がある場合は、「逃亡のおそれ」や「罪証隠滅のおそれ」が挙げられます。
逃亡のおそれは、暴行を加えた本人が事件現場から立ち去ろうとしたり、逃走の準備をしていると判断される行動が見られたりなどです。
これらを行うと、捜査の進行が妨げられる可能性があります。
証拠隠滅の恐れがある場合は、喧嘩で人を殴った直後に、加害者が目撃者に口止めを図ったり、現場に残った血痕や証拠物品を拭き取ったりするなどです。
罪を軽減させようとする行為が見受けられると、警察は事件の証拠が隠滅されるリスクを考慮します。
逮捕されないケース
逆に逮捕されないケースは、被害者が警察に対して被害届を出さない場合です。
喧嘩の際に双方が同意して和解した場合や、被害者が法的措置を望まない意向を明確に伝えた場合、事件としての捜査が行われない可能性があります。
特に家族や親しい友人間でのトラブルであれば、当事者間の話し合いによって解決することが重視され、警察は逮捕を回避するケースが多くなるでしょう。
喧嘩で人を殴ってしまった場合でも逮捕されなかったケースはあります。必ずしも逮捕されるわけではないので、逮捕を防ぎたい場合には適切な事後対応を尽くすことが適切です。
喧嘩で人を殴ってしまった場合の対処法
喧嘩で人を殴ってしまった場合、まずは下記3つの行動を取る必要があります。
- 弁護士に相談して示談交渉を進める
- 弁護士に相談して取り調べ対策を練る
- 弁護士に相談して自首をする
詳しく解説します。
弁護士に相談して示談交渉を進める
弁護士は、法律的な視点から現状を整理し、最善の対策を立ててくれます。
特に傷害の程度に応じた適切な謝罪方法や補償内容を見極め、被害者との和解に向けた示談交渉を進める役割を担います。
弁護士に依頼することで、加害者本人が直接交渉にあたる必要がなくなり、感情的なやり取りを避けることが可能です。
これは、被害者が冷静に対応しやすくなるだけでなく、交渉がスムーズに進行するための手助けにもなるでしょう。
弁護士は、既に警察で捜査されている事件の場合、警察の担当者を通じて被害者側に示談交渉の申出を行います。警察から被害者に意思確認をした結果、連絡先の交換について被害者の了承が得られれば、弁護士限りで被害者との連絡を開始することが可能です。
弁護士に相談して取り調べ対策を練る
喧嘩で相手を殴ってしまった場合、逮捕や取り調べを受ける可能性があるため、弁護士に相談して取り調べ対策を練ることが大切です。
警察の取り調べは、事実関係を明確にするために行うものであり、どのように言動をすべきか、どのような証拠や状況が有利に働くかについて、あらかじめ知っておく必要があります。
弁護士は証拠の収集や、事件の背景を踏まえた対応策を練ることができるため、取り調べの際に不安や焦りを感じることなく、冷静に対応できるようなサポートをしてくれるでしょう。
喧嘩で人を殴ってしまった事件では、その経緯や暴行の内容などについて当事者間で言い分の大きく異なるケースが多く見られます。そのため、当事者間の言い分がどのように異なるのか、主要な争点はどこかという点を整理し有益な回答ができるよう取り調べ対策を取ります。
弁護士に相談して自首をする
自首をするかどうかは慎重に判断する必要があり、その際には必ず弁護士に相談することが重要です。
自首は、法的に見て反省の態度を示すものであり、積極的に問題解決に向けて行動していることを示すものとして評価される場合があります。
しかし、その一方で自首を行うことで、刑事責任が重くなる可能性もあるため、弁護士のアドバイスなしで行動することはおすすめしません。
弁護士に相談すれば、自首する前に自分の立場や事件の詳細をしっかりと整理し、その上で最も適切な行動を取るための計画を一緒に策定してくれます。
たとえば、自己の行動に対して適切な反省の意を示す方法や、被害者との和解を進めるための具体的な手段についてもアドバイスを受けるといった感じです。
自首後にどのように対応するかも一緒に考え、刑事手続きにおける適切なアプローチを助けてくれるため、事前に相談してから行動することをおすすめします。
人を殴ってしまった罪を認めて弁護士に相談するメリット
人を殴ってしまったことを悔やんで、今後の対応をどうすればいいか悩んでいる方は、速やかに弁護士へ相談することが大切です。
弁護士に相談するメリットは、主に以下の通りです。
- 示談交渉で喧嘩相手との和解ができるように迅速に動いてもらえる
- 軽い刑事処分ができるように動いてくれる
- 示談が難しければ自首を検討してくれる
- 人を殴った経緯を深掘りして防御活動を行える
詳しく解説します。
示談交渉で喧嘩相手との和解ができるように迅速に動いてもらえる
暴力行為が発生してしまったトラブルでは、早期に被害者との和解を図ることが、今後の法的手続きや刑罰の軽減に大きく影響します。
弁護士に相談すれば、喧嘩相手と話し合いを行い、できるだけ早く解決を目指すための戦略を立てます。
自分で示談交渉を行う場合、感情的になってしまい交渉が難航しがちですが、弁護士は冷静かつ客観的に交渉を進め、双方が納得できる結果を導き出してくれるのが強みです。
示談交渉で和解に至るかどうかは被害者と示談交渉が開始できるかどうかによります。示談交渉が開始でき、条件面のお話に移ることができれば基本的にはほぼすべて和解に至ることが可能でしょう。一方、示談交渉自体を拒否された場合は和解に至る確率はほとんどない状態となります。
軽い刑事処分ができるように動いてくれる
一般的に、暴力行為が発生した場合、内容や背景によって刑事処分が重くなるか軽くなるかが決まります。
弁護士は事件の詳細を精査し、加害者の反省意図や、今後の改善策を証明できる方法を考え、法的に有利な結果を得るためにサポートしてくれます。
たとえば、弁護士はあなたが早期に反省していることや被害者との和解に向けて努力していることを示す証拠を集め、裁判官や検察官に対して積極的にアピールするといった感じです。
弁護士が適切な対応をすれば、刑事事件としての処分が軽くなる可能性があるでしょう。
弁護士が適切な弁護活動を行った場合、結果が伴えば不起訴処分となり刑事処分を受けない結果となることも珍しくはありません。まずは弁護士に相談することがおすすめです。
示談が難しければ自首を検討してくれる
示談交渉がうまくいかない場合、被害者が和解に応じない、または示談条件が合わない場合があります。
そのような状況において、弁護士は自首という方法を提案し、最適な解決策を見つける手助けをしてくれます。
自首は、犯罪を犯した者が警察に自ら出頭し、罪を認めることによって、法的に処罰が軽減される場合がある手段です。
具体的には、加害者が自首を決断した際に、自首のタイミングや方法、警察への伝え方についてアドバイスを行い、円滑に進めるようサポートしてくれます。
自首をすることで、反省の態度が強調され、裁判所や検察が刑の軽減を考慮することがあるのです。
人を殴った経緯を深掘りして防御活動を行える
弁護士は、罪を認めた場合でも、その行為に至った背景や経緯を詳しく調査し、弁護に役立つ情報を収集します。
この過程は、ただ単に罪を認めるだけでなく、どのような状況でその行動に至ったのかを明確にし、刑事事件における適切な防御を構築するために重要です。
たとえば、自己防衛や過剰防衛の可能性がある場合、弁護士はその状況を詳しく調べます。
仮に殴った相手が先に挑発的な行動をとった場合や、恐怖を感じるような状況があった場合、それが事件の背景として考慮されることがあります。
弁護士は、そのような状況を法的に整理し、あなたが犯行に及んだ理由を裁判所に説明することで、刑罰の軽減を実現させてくれるでしょう。
そもそも喧嘩で殴ったら負けということを強く認識する
喧嘩が起こるのには理由が必ずありますが、どんな理由があれど人のことを殴ってはいけません。
たとえ相手から挑発されて腹が立って殴ったとしても殴るという行為自体、相手に外傷を与えることになる恐れがあり、暴行罪や傷害罪などに問われる可能性があります。
殴ったら負けという意識をしっかりともち、喧嘩に発展した場合は、冷静を保って話し合いで解決できるようにしましょう。
もし、話し合いに応じてくれないのであれば、警察を呼ぶなりして、ヒートアップする状況を作らないようにすることが大切です。
人を殴ってしまって罪に問われている場合は弁護士にご相談を
喧嘩で人を殴ってしまった場合、暴行罪や傷害罪などに該当する恐れがあり、最悪の場合、逮捕されるケースもゼロではありません。
そもそも相手が悪い状況だったとしても、人を殴る行為自体がよくありませんが、仮に殴ってしまった場合、その後の対応が重要になってきます。
特に喧嘩の場合、お互いの言い分があり、なかなか自分で解決することが困難です。少しでも速く和解ができるようにするには、弁護士への相談が欠かせません。
藤垣法律事務所は、500件を超えるさまざまな刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、喧嘩で相手を殴ってしまった際の解決事案も複数あります。
初回の無料相談も承っておりますので、喧嘩して相手を殴ってしまい、罪に問われないか不安に思っている方がいれば、ぜひ下記よりご連絡ください。
お問い合わせ
法律相談のご希望はお気軽にお問い合わせください
※お電話はタップで発信できます。メールは問い合わせフォームにアクセスできます。