「刑事事件の示談交渉はどうやってすればいい?」
「そもそも刑事事件の示談交渉は自分でできる?」
上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、刑事事件の示談交渉は自分でも対応可能です。
しかし、ケースによっては弁護士に依頼するのを検討する必要があります。
本記事では、刑事事件の示談交渉を自分で行うか弁護士に依頼するかの判断基準や弁護士に依頼するメリットなどを詳しく解説します。
藤垣法律事務所は、500件を超えるさまざまな刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、示談交渉して早期解決した事案も複数あります。
初回の無料相談も承っておりますので、示談交渉に関するご相談やご依頼などがあれば、ぜひ下記よりご連絡ください。
目次
刑事事件の示談交渉を自分で行う際の手順
刑事事件の示談交渉を自分で行う際、主に以下のような手順で行います。
- 被害者へ連絡する
- 被害者に誠意を見せた謝罪を行い示談を交渉する
- 被害の状況を確認する
- 示談書作成の意向を申し出る
- 示談書の作成を行う
ただし、ここからお伝えする内容は、相手の連絡先を知っていることが前提です。連絡先がわからなければ自分で示談交渉はできませんので、ご理解ください。
それでは、詳しく解説します。
被害者へ連絡する
刑事事件において示談交渉を自分で行う際、最初のステップは被害者への連絡です。
被害者に連絡を取る際には、冷静で真摯な姿勢を保ち、自分の立場と意図を明確に伝えることが大切です。
連絡手段としては、電話や書面を通じて連絡を取ることが一般的で、直接会う場合には、事前に相手の都合を十分に確認しましょう。
示談交渉には被害者への連絡が不可欠ですが、自分で被害者に連絡を行う場合には示談交渉の目的であることが確実に伝わるよう努める必要があります。連絡の目的を被害者に誤解されてしまうと、トラブルにつながりやすいほか、逮捕の原因となる可能性も否定できません。
被害者に誠意を見せた謝罪を行い示談を交渉する
被害者と連絡が取れたら、被害者に対して誠意ある謝罪を行い、示談交渉を持ちかけましょう。
特に謝罪の場面では、被害者に対して敬意を持ち、礼儀正しい姿勢を保つことが大切です。
例えば、謝罪文を手書きで用意し、言葉に誠意がこもるように、しっかりと内容を考えた上で臨むことが望まれます。
また、謝罪の言葉だけでなく、事件によって相手に与えた迷惑や苦痛に対する理解や配慮を示すことが、被害者に対する真摯な態度を示すための鍵となります。
示談交渉を持ち掛ける際には、自分が一方的な加害者であると理解していること、示談は被害者へのお詫びを形にするためのものと考えていることを正しく把握してもらえるよう心がけましょう。
被害の状況を確認する
刑事事件で示談交渉を自分で進める際には、まず被害の状況を詳細に確認することが重要です。
自分の理解が不十分であると、示談交渉の場で適切な提案ができず、被害者に誠意が伝わらない可能性があるからです。
被害の範囲を確認する際には、被害者の物理的な損失(壊れた物品や治療費など)に加え、精神的な負担も十分に考慮し、損害が及んでいる範囲をできる限り網羅的に把握しましょう。
被害者は、加害者の立場からは想像できなかった損害や苦痛を感じていることが珍しくありません。そのため、被害状況の確認を行う際には、自分が想定していない内容の被害が生じている可能性や被害者側からさまざまな損害が主張される可能性をあらかじめ踏まえておきましょう。
示談書作成の意向を申し出る
刑事事件の示談交渉を自分で進める際には、最終的に示談書を作成する意向を被害者に丁寧に申し出ることが重要な手順となります。
示談書は、被害者と加害者の間で合意した条件を正式に文書として残すものであり、後々の誤解やトラブルを防ぐためにも必要不可欠です。
示談書の作成は、示談の内容が具体的に固まり、双方が合意に至った段階で申し出ると良いでしょう。
示談書作成の意向を申し出る際には、被害者の感情を害さないため、作成目的を十分に説明できるよう準備することが適切です。示談書にはトラブルの蒸し返し防止という面があることから、示談書作成の意向を示すことで被害者を信頼していないと理解される可能性があります。
示談書の作成を行う
示談書作成の意向を承諾してもらえたら、示談書の作成を行います。示談書の作成にあたっては、まず示談の具体的な条件を明確に反映させます。
これには、金銭的な補償がある場合の金額、支払い方法、期限といった情報をはじめ、示談の目的や内容、相互の同意事項を正確に記載してください。
また、合意内容には双方の署名と日付が必要であり、これによって示談が正式に成立したことが確認できる形を取ります。
示談書の作成を行う際には、解決内容として十分な条項が整っているかを十分に注意しましょう。一般的には、支払金額を明示する確認条項、支払方法などを特定する給付条項、当事者間に債権債務関係がないことを記載する清算条項が挙げられます。また、刑事事件の場合は、被害届の取り下げも内容に含めることが適切です。
刑事事件の示談交渉を自分で示談するべきケース
刑事事件の示談交渉を自分で示談するケースは、主に以下の通りです。
- 被害者の連絡先を持っている
- 被害者から許してもらえそうな雰囲気がある
- 逮捕・勾留されていない
詳しく解説します。
被害者の連絡先を持っている
刑事事件の示談交渉を自分で行うのであれば、被害者の連絡先を持っていなければなりません。
被害者の連絡先を把握している場合、直接連絡を取って示談の申し出ができるため、弁護士を介さずに自分自身で交渉を進めやすくなります。
示談交渉を自分で進める際には、被害者が示談に応じる意思を持っているかどうかを最初に確認することが重要です。
被害者の立場や感情を理解し、負担をかけないよう配慮する姿勢を見せる必要があります。
加えて、連絡の際には、示談の目的が双方にとって公正であることを強調し、自らが誠意を持って対応する意思があることを伝えると、被害者も応じやすくなるでしょう。
被害者から許してもらえそうな雰囲気がある
被害者から許してもらえそうな雰囲気が感じられる場合、示談交渉を自分で行っても問題ありません。
この状況では、被害者が加害者に対して必ずしも強い敵意を持っておらず、示談に応じる可能性があるからです。
被害者の態度や言葉から示談の可能性を慎重に見極め、交渉に踏み切るかどうかを判断します。
例えば、事件後に被害者が感情的に冷静になっている様子がある場合や、一定の理解を示している様子が見られる場合、示談交渉の成立を目指す意義が高まるでしょう。
弁護士と連絡とっていいですよってなった時点で、示談できると認識しています。被害者側は警察に対して弁護士と示談してもいいですよってなってる状態なので、条件さえ整えば示談成立の可能性が高いです。
逮捕・勾留されていない
刑事事件において、逮捕や勾留されていない状況であれば、自分で示談交渉を行う選択肢が現実的となるケースです。
逮捕・勾留がされていないということは、身柄が拘束されず自由に行動できる状態にあるため、直接的な示談交渉の準備や実行が容易になります。
また、警察や検察の捜査が進行している最中であっても、身柄を拘束されていなければ被害者に誠意を見せやすい状況であり、示談交渉の機会を得やすくなるといえます。
刑事事件の示談交渉を自分で行わず弁護士に依頼した方がいいケース
一方、刑事事件の示談交渉を自分で行わず弁護士に依頼した方がいいケースは、主に以下の通りです。
- 被害者の連絡先がわからない
- 被害者の怒りの感情が大きい
- 逮捕・勾留されている
詳しく解説します。
被害者の連絡先がわからない
刑事事件での示談交渉において、被害者の連絡先がわからない場合には、自分で交渉を進めるのではなく弁護士に依頼した方が望ましいです。
被害者の連絡先が不明であると、当然、直接の連絡や謝罪が難しいです。
加害者自身が無理に被害者の連絡先を調べようとすると、捜査機関に不信感を抱かせる結果となりかねず、事態を悪化させる恐れもあります。
弁護士に依頼すれば、弁護士が法的な手段や許可を通じて、警察や検察の協力を得て被害者と連絡を取るルートを確保できます。
被害者の怒りの感情が大きい
仮に被害者の連絡先を持っていたとしても、あまりに相手の怒りの感情が大きければ、自分で示談するのはおすすめできません。
被害者が大きな怒りを抱いている状況では、直接の対話がかえって感情を逆撫でしてしまい、示談交渉がこじれてしまう可能性があるからです。
弁護士が第三者として間に入ることで、感情的な衝突を回避し、冷静で公正な対話の場を作り出すことが可能です。
逮捕・勾留されている
逮捕・勾留されている場合には、自分で示談交渉を行うのではなく弁護士に依頼する方が適切です。
逮捕や勾留の状況では、加害者としての立場が弱いだけでなく、被害者と直接的なやり取りができません。
弁護士が代理人として交渉に関与することで、法的な観点から適切な手続きを踏んだ示談交渉をしてくれます。
相手が示談に応じない場合どうすればいい?
被害者の連絡先を持っていたとして、直接示談交渉を持ちかけたとしても、必ずしも応じてくれるわけではありません。中には、示談に応じない場合もあるでしょう。
そんな時は、まずは冷静にその理由を把握することが重要です。
示談交渉が進まない背景には、示談金が足りない、あるいは示談の条件が被害者にとって納得いくものではないなど、さまざまな要因が考えられます。
示談金が足りないのであれば、再度被害者の物理的な損失や精神的な苦痛などを考慮し、示談金を増やして再度提示することが必要です。
また、示談の条件が被害者にとって納得いくものではなければ、示談の条件を見直さなければなりません。
ただし、これらを1人で行うとなれば、専門的な知識も必要になってくるため、難航する恐れがあります。
可能であれば、弁護士に相談して示談交渉を依頼しましょう。
刑事事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリット
刑事事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは、主に以下の通りです。
- 自分で交渉するよりも被害者が応じてくれやすくなる
- 適正な金額での示談成立が望める
- 早期に和解を得られる可能性がある
詳しく解説します。
自分で交渉するよりも被害者が応じてくれやすくなる
弁護士に依頼するメリットの1つに、自分で交渉するよりも示談に応じてくれやすくなることが挙げられます。
示談交渉を自分で行う場合、被害者との間に感情的な障壁が生じることがあります。
例えば、加害者として謝罪の言葉を伝えたとしても、相手が感情的に怒りや不安を抱えている場合、直接的な接触では心情を和らげることが難しく交渉が進まないといった感じです。
しかし、弁護士を通じて交渉を行う場合、双方に距離ができるため、感情的になることを防げます。
弁護士は冷静かつ客観的な立場から交渉を進めるため、感情に流されることなく法的な観点から解決策を提示できるでしょう。
適正な金額での示談成立が望める
示談金額の設定は、加害者側と被害者側の交渉によって決まるものですが、交渉がうまくいかない場合は、金額が過剰であったり、逆に低すぎたりすることがあります。
特に加害者が自分で交渉を行う場合、法的な基準に基づいた適切な金額を設定するのが困難です。
過度に高額な要求を受け入れてしまうことや、逆に被害者の損害を十分に補償できない金額で示談してしまうことも少なくありません。
弁護士は法的な知識と交渉力を持ち、過去の事例や相場を踏まえて適正な金額を提示してくれます。
過剰な金額の請求を避けるとともに、加害者にとっても負担のない範囲で現実的な金額を示談金として設定することが可能です。
早期に和解を得られる可能性がある
示談交渉は、加害者と被害者の双方が合意に達することで成立するものであり、その過程で多くの時間を要する場合もあります。
特に、感情的な対立や法的知識の不足、交渉スキルの違いなどが原因で、交渉が長引くことがあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、過去の経験や法的知識を活かして、相手方とのコミュニケーションを円滑に進められます。
また、法的な観点から見ても、弁護士は相手方に対して明確かつ合理的な条件を提示することができ、相手が納得しやすい形で話を進めることが可能です。
示談のスピード感は、弁護士の対応や被害者側のご判断にもよりますが、早ければ2日〜3日間といった数日で成立させることも可能です。もちろん、被害者側のご判断に時間がかかるケースや設けるべき条項が多いケースでは、数週間かかる可能性もあります。
刑事事件の示談交渉は弁護士にお任せください
刑事事件の示談交渉を自分で行う場合、連絡先を持っているかどうかが鍵です。
連絡先を持っていなければ、いくら自分で行おうとしても困難であるため、弁護士に相談する必要があります。
仮に連絡先を持っているのであれば、自分で示談をすすめられますが、示談金の試算や示談書の作成など、法的な知識を踏まえて対応しなければならず、かなりの労力を使います。
弁護士に依頼すれば、示談交渉は全て行ってくれますし、適切な条件で早期解決を実現できるよう動いてくれるため、依頼を検討してみるのもおすすめです。
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