児童ポルノで逮捕されたらどうなる?刑罰の内容や対応可能な弁護活動を弁護士が徹底解説

インターネットやSNSの普及により、それらを駆使した犯罪が増加しており、その代表例が児童ポルノです。

中には「もしかしたら自分の行動が児童ポルノに該当してしまったのではないか?」と不安に感じている方もいるでしょう。

そこで本記事では、児童ポルノがどういう犯罪で、逮捕されるケースや弁護士ができることなどを解説します。

もしどうしても心配なら、すぐ弁護士に相談するのがおすすめです。

藤垣法律事務所は、500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、児童ポルノに関する解決実績も含まれています。

初回相談は無料ですので、不安な方はぜひ一度下記からご相談ください。

児童ポルノとはどういう犯罪?逮捕されるのか

児童ポルノは、18歳未満の子どもが性的な内容で描写されている写真、映像、その他の記録物などです。

これらの記録物を制作、所持、配布する行為は日本国内で厳しく規制されており、児童の心身に対する深刻な被害を防ぐための措置として法的な取り締まりが強化されています。

ここからは、下記2つについて深掘りしていきます。

  • 児童ポルノ禁止法とは
  • 児童ポルノが発覚するケースとは

児童ポルノ禁止法とは

児童ポルノ禁止法は、18歳未満の児童を性的に搾取・虐待から保護するために制定された法律です。

児童を対象としたわいせつな写真や映像の制作、販売、提供、所持などが禁止されています。ここでいうわいせつは、下記のような行為です。

わいせつに該当する行為

  • 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
  • 二他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
  • 三衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

引用:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

児童ポルノは重い罰則が設けられており、所持しただけでも1年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。

提供の場合は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、不特定または多数の者に提供してしまうと5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処されます。

児童ポルノが発覚するケースとは

児童ポルノが発覚するケースには、いくつかの要因が考えられます

まず考えられるのが、業者が摘発されることです。児童ポルノを販売していた業者が摘発されてしまうと、業者の保有する顧客リストから購入者が特定されます。

特定されたら、自宅に捜索が入り、発覚する可能性があるのです。

また、児童の補導の発覚する要因であり、警察に補導された際にスマートフォンを回収され、写真や動画を送ってた履歴でばれてしまいます。

さらに、捜査の過程で別の犯罪が捜査対象となっている際に偶然発覚するケースもあります。

たとえば、薬物犯罪や暴力事件の捜査中に、関係者が児童ポルノを所持していることが発覚することもあり、その場合も児童ポルノ法違反として追加の捜査や逮捕が行われるでしょう。

児童ポルノで逮捕されるケース

児童ポルノは、逮捕の可能性が高い事件です。犯罪を犯したと疑われるようなことをした場合や証拠隠滅や逃亡の可能性があるなどの場合、逮捕されやすくなります。

特に児童ポルノの削除は簡単にできるため、逮捕されるケースの多くは証拠隠滅の可能性だと考えられます。

実際に、令和5年版の犯罪白書では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴された件数は年々増加傾向で、10年間で1,000件近く増えています。

西暦起訴件数
2012年2205
2013年2331
2014年2386
2015年2562
2016年2713
2017年3074
2018年3576
2019年3397
2020年3064
2021年3093
2022年3149

参考:令和5年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節

SNSが普及して便利な時代になったからこそ、より厳しく取締りが行われているのが伺えます。

ただし、100%逮捕されるかと言われるとそういうわけではなありません。

方法・内容が悪質である場合,児童の年齢が特に低い場合,事件数が際立って多い場合などは,逮捕される確率が高くなりやすい傾向にあります。

児童ポルノの事件は,逮捕される場合,されない場合いずれもあり得る事件類型です。その意味では,確率は半々と言えるでしょう。特に,性的な画像や映像を撮影したり送ってもらったりする製造の事件では,逮捕が懸念されやすいです。

児童ポルノで逮捕されたらどうなるのか

児童ポルノで逮捕された場合、主に以下のような流れになります。

  • 児童ポルノの家宅捜索
  • 児童ポルノにより逮捕・勾留
  • 検察官による処分の決定
  • 起訴された場合は裁判を受ける

詳しく解説します。

児童ポルノの家宅捜索

児童ポルノに関する疑いで逮捕されると、まず自宅や職場などに対する家宅捜索が行われます。

捜査機関は、逮捕された本人が違法な画像や動画を保管していないかを確認するため、コンピュータやスマートフォン、記録媒体(USBメモリや外付けハードディスクなど)を徹底的に調査します。

これには、削除されたデータの復元も含まれるため、表向きには見えないデータがあっても、解析によって発見されることが多いです。

さらに、家宅捜索の対象には、インターネットの履歴や通信記録も含まれ、他者とのやり取りやファイルの共有履歴も調べられます。

違法なコンテンツの取引や拡散に関与していたかどうかが確認され、法的責任を追及される場合があるでしょう。

児童ポルノにより逮捕・勾留

児童ポルノに関して逮捕されると、警察による取り調べとともに、最長で23日間の勾留が行われます。

特に逮捕・勾留の可能性が高いのは、児童ポルノの製造に該当する人です。

この勾留期間中、容疑者は警察や検察の取り調べを受け、関与の度合いや行為の詳細について尋問が行われます。

取り調べでは、違法なコンテンツの入手経路やその意図、他者への提供があったかどうかなどが重点的に確認されるため、対応には慎重さが求められるでしょう。

検察官による処分の決定

児童ポルノ関連で逮捕されると、最終的な処分は検察官によって決定されます。

逮捕後、警察の取り調べを経て、事件は検察へ送致され、ここで検察官が証拠や事情を検討し、起訴するかどうかを判断します。

収集された証拠が違法行為を裏付けるに十分か、本人の故意や悪質性がどの程度かが重要な検討材料です。

加えて、本人の反省の度合いや、再発防止に向けた具体的な取り組みが示されているかも処分決定に影響を与えるでしょう。

起訴された場合は裁判を受ける

児童ポルノ関連で起訴されると、被告人は正式な裁判手続きを受けなければなりません。

裁判では、まず検察側が提出した証拠や、被告人の行動の違法性について主張が行われ、続いて弁護側がそれに対する反論や情状酌量の余地を訴える場が設けられます。

裁判においては、違法行為の具体的な内容、社会的な影響、被告人の動機や反省の有無が審議の中心となり、これに基づいて量刑が決まります。

特に、児童ポルノ関連は社会的に厳しい目が向けられる犯罪であり、判決ではその重大性が重視されやすいでしょう。

児童ポルノ事件で弁護士ができること

万が一児童ポルノに該当してしまった行為を犯してしまった場合、すぐに弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談すると、主に以下のような対応を行ってくれます。

  • 被害者と示談交渉
  • 生活環境の改善を提案
  • 自首の同行

詳しく解説します。

被害者と示談交渉

児童ポルノ事件において、弁護士が果たす役割の1つに、被害者との示談交渉があります。

示談とは、事件に関与した双方が法的手続きを経ることなく、問題を解決するために行う交渉のことです。

児童ポルノ事件の示談では、加害者が被害者に対して賠償金を支払うことで、被害者が加害者を告訴しない、または刑事訴訟を起こさないという合意を結ぶことが一般的です。

しかし、児童ポルノ事件のように深刻な性犯罪である場合、示談だけでは刑事責任を免れることはできません。

弁護士は、この点を十分に理解した上で、被害者との合意形成を進めるとともに、裁判やその他の法的手続きを見据えた対応を行います。

児童ポルノは、暴行や窃盗などの事件と比較すると示談交渉は比較的難しいです。刑罰を軽くすること自体はできますが、必ず不起訴処分になるというわけではないため、覚えておいてください。

生活環境の改善を提案

児童ポルノを犯した背景には、個人の生活環境や心理的な要因が考えられます。そのため、弁護士ができることとして、生活環境の改善を提案します。

例えば、依存症や精神的な問題が関係している場合、弁護士は性犯罪再犯防止のクリニックの紹介やカウンセリングの受け入れを提案すると言った感じです。

適切な改善案の提案により、加害者が問題の根本的な原因を認識し、治療や改善に向けた前向きな取り組みを始めることができます。

また、弁護士は、加害者が自らの行動に対して責任を持ち、再犯を防ぐための環境づくりを進めることを推奨し、家族や支援機関との連携も積極的に行ってくれるのもメリットです。

一般的には、監督してくださるご家族様と努力をする本人の三者間で、改善案を提案します。児童ポルノを犯してしまった原因を追求した上で、行動スケジュールの把握やSNSの使い方などといった具体的な対策方法をご教示いたします。

自首の同行

弁護士は、加害者の自首に同行できます。自首は、犯罪を犯した者が自らの意志で警察に出頭し、罪を認める行為です。

自首することは、加害者が反省していることを示し、また社会復帰に向けた第一歩となる場合もあります。

しかし、自首には法的なリスクも伴うため、弁護士のアドバイスとサポートが重要です。

具体的には、加害者が自首する前に、警察や検察とのやり取りについて法的なアドバイスを行い、自首することによる影響を説明します。

自首により、刑事処分が軽減される可能性があることや、反省の意を示すことが裁判で有利に働く場合があることも伝え、加害者が冷静に判断できるようにサポートします。

自首をした場合,刑事処分は軽くなることが通常です。弁護士と同行する形で自首をすれば、適切な方法で進めることができるため,より罪の軽減につながりやすくなります。

児童ポルノの逮捕に関するよくある質問

最後に、児童ポルノの逮捕に関するよくある質問の回答を3つご紹介します。

  • 児童ポルノは見ただけでも逮捕されるの?
  • 児童ポルノをダウンロードしてしまい削除しても逮捕されるの?
  • 児童ポルノで逮捕されたら実名報道されるの?

疑問点をあらかじめ解消できるよう、ぜひ参考にしてください。

児童ポルノは見ただけでも逮捕されるの?

児童ポルノを見ただけで逮捕されるのかという問題については、実際のところただ見るだけで逮捕されるわけではありません。

日本の法律では、児童ポルノの所持や製造、販売を厳しく禁じており、これに違反した場合には罰則が科されます。

しかし、ダウンロードして保存すれば児童ポルノの「所持」とみなされてしまい、刑罰の対象となるため、注意してください。

児童ポルノをダウンロードしてしまい削除しても逮捕されるの?

児童ポルノをダウンロードしたという時点で刑罰の対象になりますが、すぐに削除した場合は、児童ポルノ法違反をした確証が得られないため、逮捕されない可能性はあります。

ただし、先ほどもお伝えしたとおり、所持すれば刑罰対象になり、一度でもダウンロードしてしまうと、児童ポルノ禁止法違反に抵触します。

たとえ削除したとしても、警察の捜査によってデータを復元されることも十分考えられますので、絶対にダウンロードするのはやめましょう。

児童ポルノで逮捕されたら実名報道されるの?

児童ポルノは重い刑罰に当たるため、逮捕された場合、実名報道される可能性は高いです。

児童ポルノ事件によって逮捕されてしまい、実名報道されると、社会からは厳しい目が向けられるのはもちろん、社会的信用を失い、職や家族、友人などを失うリスクがあります。

今後の生活に多大なる悪影響を及ぼすため、絶対に児童ポルノ違反に該当する行為をするのはやめましょう。

児童ポルノで逮捕されたもしくはされる前に弁護士へご相談を

児童ポルノ違反に該当する行為をしてしまった場合、逮捕される可能性は正直高いです。

業者が摘発されたり、第三者から通報が入ったりなど、思わぬ出来事で発覚する恐れがあるため、絶対にしてはいけません。

もししてしまったら、速やかに弁護士に相談し、なるべく刑罰を軽くしてもらい、再発防止に務めることが大切です。

藤垣法律事務所は、500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、児童ポルノに関する解決実績も含まれています。

迅速な対応と適切な解決策を速やかに提案させていただきます。初回相談は無料ですので、不安な方はぜひ一度下記からご相談ください。

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