
このページでは,自転車窃盗事件の弁護士選びについてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。弁護士への依頼を検討する際の参考にご活用ください。

目次
自転車窃盗事件で弁護士を選ぶタイミング
①自首を検討するとき
自首とは,罪を犯した者が,捜査機関に対してその罪を自ら申告し,自身に対する処分を求めることをいいます。犯罪事実や犯人が捜査機関に知られる前に,自分の犯罪行為を自発的に捜査機関へ申告することが必要とされます。
自転車窃盗の事件では,現行犯で発覚する場合を除き,事件が発生してから加害者が特定されるまでの間に一定の期間が生じる場合が多く見られます。そのため,自転車窃盗事件の加害者となってしまったケースで,自分が加害者と特定されていない段階では,自首を検討することも有力な手段の一つです。自分が加害者と特定される前であれば,自首が成立し,刑事処分の軽減を期待することもできるでしょう。
もっとも,本当に自首をすべきかどうか,自首をする場合にどのような手順・方法で行うか,という点は,当事者自身での判断が困難なポイントです。自首を試みようと考えるときには,適切な弁護士選びの上で,弁護士とともに検討・行動をするのが適切でしょう。
ポイント
現行犯以外の自転車窃盗は,加害者の特定に時間がかかりやすい
自首すべきか,自首の方法をどうすべきかは,弁護士の判断を仰ぐべき
②出頭要請を受けたとき
自転車窃盗の事件で捜査を受ける場合,後日になって警察から出頭要請を受けることが考えられます。これは,多くの場合,被疑者を特定した後に,その被疑者に対する取調べを行う目的でなされるものです。
そのため,出頭要請を受けたときには,その後に行われるであろう取り調べの対応について事前に検討しておく必要があります。想定される質問や質問への回答方法・内容を整理し,取り調べに備えることは非常に重要でしょう。
しかしながら,出頭後の取り調べに対してどのように対応するのが適切かを自分の力で整理するのは容易でありません。取り調べを受けた経験のある人でなければ,取り調べがどのように行われるかを想像することも困難でしょう。
そこで,出頭要請を受けて取り調べの予定が明らかになったタイミングで,弁護士を選ぶことが有力な選択肢になります。適切な弁護士選びができれば,出頭時の対応が万全になるほか,その後の弁護活動も充実したものになるでしょう。
③示談を試みたいとき
自転車窃盗は,個別の被害者に対する窃盗事件であるため,被害者側の意向が刑事処分を大きく左右します。被害者との間で示談が成立し,被害者が加害者の処罰を希望しないとの意向を示せば,通常の自転車窃盗事件は不起訴処分となることが一般的でしょう。
この点,示談交渉には弁護士が不可欠となります。示談を試みるためには,弁護士を介して捜査機関に連絡し,被害者と弁護士との間での連絡を始めてもらう必要があるためです。

そして,示談の成否やその内容は,担当する弁護士によって様々に変わりやすいものです。示談における合意内容は当事者間の自由であり,無数の選択肢があるため,示談交渉の巧拙が示談の内容に直結することも珍しくありません。
そのため,示談を試みたいときには示談に精通した適任の弁護士を選ぶ必要があるでしょう。
④事件が発覚したとき
自転車窃盗の事件は,被害者がその被害を把握したタイミングで発覚することがほとんどです。そのため,事件が発覚するかどうかは,被害者側の対応に大きく左右されます。
この点,被害者が日常的に使用している自転車であったり,被害者にとって思い入れのある自転車であったりすれば,事件はすぐに発覚するでしょう。しかし,放置自転車のように被害者がさほど必要としていない自転車の場合には,後日,自転車の防犯登録を確認した警察官から連絡を受け,初めて被害を知るという経過をたどることも珍しくはありません。
加害者の立場としては,いつ事件が発覚するか,という点を具体的に見定めることが困難となりやすいですが,裏を返せば,被害者に事件が発覚した段階では,その後の対応を具体的に検討すべきである,ということができます。
自分の事件が被害者に発覚したと判断できる場合には,弁護士選びを行い,解決に適した弁護士に依頼することをお勧めします。
ポイント
自転車窃盗は被害者に発覚したタイミングで捜査が開始されやすい
被害者に発覚した段階で,具体的な対応策の検討を行うのが適切
自転車窃盗事件の弁護士を選ぶ基準
①自転車窃盗という事件類型への理解
自転車窃盗の事件は,具体的な内容によって,以下のように該当する刑罰法令が異なる可能性があります。
一般的な自転車窃盗 | 窃盗罪 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
放置自転車 | 占有離脱物横領罪 1年以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
ゴミの場合 | 自治体によっては窃盗罪や条例違反になる可能性あり |
また,自転車窃盗に伴って他の犯罪が成立する場合もあります。
器物損壊罪 3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
自転車窃盗の際にカギを壊すと,カギを壊してしまった行為について別途器物損壊罪が成立します。
その他,駐輪場に設置してある機材を壊した場合にも器物損壊罪の対象となるでしょう。
住居侵入罪・建造物侵入罪 3年以下の懲役又は10万円以下の罰金
自転車窃盗のために他人の住居やその敷地に侵入した場合には,住居侵入罪や建造物侵入罪が成立します。
一般的には,戸建ての住宅やマンションの専有スペースへの侵入は住居侵入罪,マンションの共用スペースへの侵入は建造物侵入罪に当たるでしょう。
当然ながら,どの罪に当たるかによって,その後の取り扱いも最終的な処分の見込みも異なりやすいです。また,被害者との示談を試みる場合にも,どの罪に当たる内容かという点が示談の方法・内容に影響を及ぼしやすいでしょう。
このように,自転車窃盗の場合,一口に自転車窃盗と言っても様々な罪名に該当し得るものですが,これは他の事件類型にはない自転車窃盗の特徴とも言えます。そして,この自転車窃盗の特徴を踏まえているかどうかによって,弁護活動の内容や結果に大きな差が生じる可能性があります。
自転車窃盗の弁護士を選ぶ場合には,事件類型の特徴に理解があるか,という点を重要な基準とするのがよいでしょう。
②見込まれる刑事手続の理解
適切な弁護活動を行うには,今後にどのような手続が見込まれるか,正しく理解していることが不可欠です。今後なされる手続を把握していなければ,手続の中で何を行うべきかも判断できないためです。
そのため,弁護士選びに際しては,個別事件の内容を踏まえて,今後に見込まれる刑事手続を具体的に見通せている弁護士か,という点を重要な判断基準とすることをお勧めします。手続の見通しが具体的であることは,弁護活動の内容が具体的であることにもつながるため,安心して弁護士に依頼できる結果にもなるでしょう。
③弁護方針の具体的内容
弁護士選びは,依頼した際にどのような弁護方針で活動してくれるか,という点を慎重に検討して行うことが必要です。依頼した結果,弁護方針が希望と合致していなかったり,弁護方針に違和感があったりすれば,弁護士選びはうまくいかなかったと言わざるを得ないでしょう。
そのため,弁護士選びの際には,その弁護士がどのような方針で弁護活動をしてくれるのか,可能な限り具体的に把握することをお勧めします。例えば,認め事件であれば示談を試みることが有力ですが,一口に示談を試みると言っても,示談金額はどの程度を想定するか,示談金以外の示談条件として考えられるものはあるか,謝罪の意思を伝える方法はどうするか,事件の経緯や具体的内容についてはどのように説明するかなど,事前に決めなければならない具体的な内容は少なくありません。
弁護方針が具体的であればあるほど,その弁護士は弁護活動のイメージを詳細に持てているということが分かります。これは,弁護士に経験値や解決能力があることの端的な現れでもあるので,弁護士選びに際しては注意してみるとよいでしょう。
④弁護士との連絡方法・頻度
弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。
そのため,弁護士とはどのような方法で連絡が取れるか,どのような頻度で連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。
なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。
自転車窃盗事件で弁護士を選ぶ必要
①不起訴処分のため
刑事事件の被疑者となった場合には,最終的な結果として不起訴処分となることを目指すのが通常です。検察は,捜査を遂げた段階で「起訴」するか「不起訴」とするか判断をしますが,起訴されれば裁判所から刑罰を言い渡される可能性が高く,不起訴となれば刑罰を受けることなく手続が終了するため,その差は極めて大きなものとなります。
そのため,不起訴処分を目指すことが,刑事事件における最大の目標と言っても過言ではないでしょう。
この点,不起訴処分となるかどうかは,高度に法的な問題となることがほとんどです。認め事件であれば,「犯罪事実があるにもかかわらず不起訴とする」ための法的な根拠が必要ですし,否認事件であれば,「犯罪事実が立証できないから不起訴とする」という判断を引き出す必要があります。
これらは,過去の先例や個別の証拠を踏まえ,法的に整理した上での判断が必要となるため,法律の専門家以外には対応が困難と言わざるを得ないでしょう。
そのため,不起訴処分を獲得するという最大の目標を実現する手段として,弁護士を選ぶことは非常に重要と言えます。
②早期釈放のため
自転車窃盗の場合,逮捕されてしまったとしても,早期釈放の可能性がないわけではありません。むしろ,事件によっては早期釈放を見込むことのできるケースも珍しくはないでしょう。
しかしながら,実際に早期釈放を目指す動きを取るためには,弁護士の存在が不可欠です。手続の局面に応じて,適切な申立てなどを行うためには,手続に精通した弁護士に依頼するほかないためです。
逮捕後の早期釈放を目指すためには,できる限り速やかに弁護士選びをすることをお勧めします。なお,身柄拘束されている場合,弁護士選びが遅くなればその分だけ拘束期間が長くなってしまうため,弁護士選びの早さも大切なポイントとして留意することが望ましいでしょう。
③家族や関係者との連携のため
身柄事件の場合,逮捕勾留されたご本人は,自分で外部と連絡を取ることができません。電話を携帯することも認められないため,連絡を取るための手段は以下のような方法に限られます。
逮捕勾留中に外部と連絡を取る手段
1.手紙の送受
→数日~1週間ほどのタイムラグが避けられない
2.(一般)面会
→時間制限が厳しい。接見禁止の場合は面会自体ができない
3.弁護士の接見
→時間的制限なくコミュニケーションが可能
手紙の送受は現実的でなく,面会の時間制限の中で必要な連絡をすべて取ることも難しいため,ご本人と周囲との連絡には弁護士の接見を活用することが不可欠になりやすいでしょう。
身柄事件で必要な連絡を取り合うためには,弁護士への依頼が適切です。
④適切な取り調べ対応のため
刑事事件の捜査では取調べが不可欠です。特に,被疑者への取調べは捜査の中核であって,被疑者からどのような話が引き出せるかによってその後の捜査が決定づけられる事件も少なくありません。
逆に,被疑者の立場にある場合,取調べにどのような対応を取るのが最も有益であるのかを把握していることは非常に重要です。自分が何を話すか,どのように話すかによって,その後の捜査や処分が決定づけられる可能性もあるため,取調べ対応の方法・内容は十分に検討する必要があるでしょう。
この点,個別の事件に応じてどのような取調べ対応をすべきかは,弁護士の法的な判断を仰ぐことが適切です。そのため,取調べ対応に万全を期すためには,弁護士選びが重要なポイントとなるでしょう。
自転車窃盗事件における弁護士選びの準備
①事件の内容を詳細に伝える準備
自転車窃盗の事件では,具体的な状況や内容によって該当する罪名が変わる可能性があります。そして,罪名が変わるほど事件の内容が異なれば,処分の見通しや弁護活動の方針が異なる場合もあり得るところです。
そのため,弁護士選びに際しては,弁護士に事件の情報を漏れなく伝え,弁護士の誤解を招かないようにすることが重要となります。弁護士選びに際しては,弁護士との相談が不可欠ですが,相談に際して事件の詳細を伝える準備はしっかりとしておくようにしましょう。
②現在の状況を正確に伝える準備
現在どのような状況に置かれているか,という事情によって,取るべき行動やなすべき弁護活動が変化することは珍しくありません。例えば,既に捜査を受けているのか,まだ呼び出されたことがないのか,被害品の自転車をまだ所持しているのか,既に処分してしまったのかなど,状況や局面が異なれば,弁護士の見立てや案内も異なることになりやすいでしょう。
弁護士選びに際しては,事件との関係で自分が置かれている現在の状況を,弁護士に正確に伝えられるようにしましょう。適切な弁護士に相談できれば,その断片的な内容から,今後の見通しを正確に持てる場合も少なくありません。
③予算額の検討
自転車窃盗の事件では,特に認め事件の場合,被害者との間で弁償や示談の動きを試みるのが有力です。自転車窃盗事件は,自転車を失った損害に対する刑事責任が問われることになるため,被害者側に一定の金銭を支払い,損害を埋め合わせることができれば,刑事処分はそれだけ軽減する可能性が高くなります。
もっとも,自転車窃盗で示談を試みるためには,弁護士費用の負担も不可欠です。依頼者側の金銭的負担は,被害者への支払と弁護士費用の二つがあり,その両方を負担できることが弁護士選びの前提となります。
そのため,弁護士選びに際しては,予算額を事前に想定し,予算の範囲内で依頼が可能かを検討するようにしましょう。事前に予算額を見積もることが難しい場合には,いくつかの法律事務所に相談を試み,弁護士費用のイメージを持つことも有力です。
自転車窃盗事件で弁護士に依頼する場合の注意点
①相談時間の制限
弁護士への法律相談は,30分以内,又は1時間以内といった形で時間を区切って行われるのが通常です。その時間内で,必要な情報を伝え,弁護士から案内を受け,弁護士選びの検討を行う必要があります。
もっとも,その時間は決して長くはありません。無意識に相談時間を浪費してしまうと,肝心の弁護士選びに必要な話が聞けないまま相談が終了してしまう可能性もあるでしょう。
そのため,弁護士選びに際しては,弁護士への法律相談に時間的な制限があることを踏まえ,弁護士選びの基準や聞きたいことなどを可能な限り整理して法律相談に臨むことをお勧めします。そのようなスタンスは,法律相談をより有益な内容とする結果にもつながるでしょう。
②弁護士との相性の重要性
依頼者も弁護士も人である以上,相性の問題を避けて通ることはできません。依頼者目線では,相性が良くないと感じながら弁護士に依頼するメリットはないと考えるべきでしょう。
この点は,最善の解決に至ればそれほど大きな問題にはなりません。しかしながら,弁護活動は事前に最善の結果になるとお約束することが不可能であり,どうしても結果が伴わない場合があります。示談を試みたものの被害者に拒否された,全部無罪を主張したものの一部の主張が認められなかった,といった場合が代表例でしょう。
そして,弁護士との相性を軽視することは,最善の結果でなかった場合に大きな問題となります。弁護士が最善の活動をしてくれたのか,結果はやむを得ないものだったのか,という点について疑念が生じやすくなるためです。
弁護士との相性が良く,弁護士の活動を心底信頼できれば,心から「やむを得なかった」と納得しやすいですが,相性が悪いと感じている場合にはそうもいかないことが多くなりがちです。
弁護士との相性を率直にどう感じるか,という点は,弁護士選びに際して軽視しないことが適切でしょう。
③弁護士によって案内が異なる可能性
自転車窃盗の事件では,処分の見通しなど,案内の内容が弁護士によって異なることも少なくありません。特に,起訴されるか不起訴になるか,という点は,法律相談の段階で具体的に見通すことが困難な場合も多く,確実に回答できないという方がむしろ自然でしょう。
そのため,ある弁護士に相談した結果と他の弁護士に相談した結果が異なる場合もありますが,それはどちらかが誤っているというよりも,見通しの不透明さが影響した結果と理解すべきものです。それにもかかわらず,「どちらの回答が正しいのか」という視点で結論を出そうとすると,答えのない泥沼にはまる恐れもあるため,注意しましょう。
弁護士によって案内が異なることは,決しておかしな出来事ではないと分かっているだけでも,弁護士選びは格段にやりやすくなるはずです。
刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ
さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。


藤垣法律事務所代表弁護士。岐阜県高山市出身。東京大学卒業,東京大学法科大学院修了。2014年12月弁護士登録(67期)。全国展開する弁護士法人の支部長として刑事事件と交通事故分野を中心に多数の事件を取り扱った後,2024年7月に藤垣法律事務所を開業。弁護活動のスピードをこだわり多様なリーガルサービスを提供。