
このページでは,不同意性交等事件の弁護士選びについてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。弁護士への依頼を検討する際の参考にご活用ください。

目次
不同意性交等事件で弁護士を選ぶタイミング
①自首を行うとき
自首とは,罪を犯した者が,捜査機関に対してその罪を自ら申告し,自身に対する処分を求めることをいいます。捜査機関に犯罪事実自体が知られていない段階,又は犯罪事実が知られていてもその犯人が捜査機関に知られていない段階で,自分の犯した罪とその内容を自発的に申告した場合にのみ,自首が成立します。
不同意性交等罪に当たる事件は,非常に重大な事件類型とされているため,犯罪事実が発覚し,被疑者が特定された場合には,まず被疑者を逮捕することから想定することが通常です。不同意性交等罪の事件で逮捕をしないケースは,犯罪事実の証拠が不十分であるなど,特に逮捕を慎重に行うべき場合に限られるでしょう。
また,不同意性交等罪は,法定刑が5年以上の有期拘禁刑とされているため,原則として実刑判決の対象となるほどの重大な類型です。有罪判決となれば,基本的に刑務所への収容を覚悟する必要があります。
そのため,自首を行うことで,逮捕や実刑判決の回避を試みることは,非常に有力な選択肢と言えます。
もっとも,個別のケースで自首をすべきかどうか,自首をするとしてどのように行うか,という判断は,法律の専門家でない限り困難と言わざるを得ません。自首の効果を最大限に引き出すためにも,自首を行うときには適切な弁護士を選ぶべきと言えるでしょう。
ポイント
不同意性交等罪は逮捕や実刑判決が懸念される
自首によって逮捕や実刑判決を回避したい場合,弁護士選びが重要
②逮捕されたとき
不同意性交等罪の事件は,逮捕を伴う捜査が非常に多く見られます。裏を返せば,逮捕されると終わり,というものではなく,逮捕はあくまで出発点であって,逮捕後の対応次第でその後の進行や最終的な処分が大きく変わる可能性がある,ということでもあります。
そのため,逮捕されたときは,その後の対応をより慎重に,具体的に検討すべき局面であると言えるでしょう。
この点,逮捕後の対応を万全にするためには,やはり弁護士の助力を得ることが適切です。逮捕後の対応に精通した弁護士を選び,弁護士から適切な案内やサポートを得ることができれば,逮捕後の手続や最終的な刑事処分が好転する可能性が非常に高くなります。
ポイント
不同意性交等罪の場合,逮捕が手続の出発点になりやすい
逮捕後速やかに適切な弁護士を選ぶことができれば,事態が好転しやすくなる
③示談を試みるとき
不同意性交等罪は,被害者のいる事件類型であるため,刑事処分に際しては被害者の意向が強く反映されやすい傾向にあります。被害者が起訴を望めば起訴されやすく,逆に被害者が不起訴を希望した場合,プライバシーへの配慮を要することもあってこれに反する起訴は困難なことがほとんどです。
そして,一度捜査機関に被害申告をした被害者が,その後になって起訴を望まないとの意向に変わるのは,当事者間で示談が成立した場合であることがほとんどです。具体的には,加害者側から適切な謝罪や賠償などを得ることで,刑事処分までは望まないとの判断に至る,という流れになります。
もっとも,加害者側が被害者との示談を目指す場合,弁護士を間に挟んで行うことが不可欠です。示談を試みるためには,弁護士を介して捜査機関に連絡し,被害者と弁護士との間での連絡を始めてもらう必要があるためです。

そのため,被害者との示談を試みるときには,弁護士選びをすべきタイミングと言えるでしょう。また,刑事事件の示談に長けているかどうか,という点は個々の弁護士によって大きく異なるため,どの弁護士を選ぶのかも非常に重要なポイントとなります。
ポイント
不同意性交等罪で不起訴を目指すには示談が必要
示談には弁護士を要するが,示談に精通しているかは弁護士により異なる
④起訴されたとき
不同意性交等罪の事件では,起訴が避けられないことも珍しくありません。特に,犯罪事実が明らかな認め事件であって,被害者が起訴を望むのであれば,起訴されることを覚悟する必要があります。
そして,不同意性交等罪で起訴されると,実刑判決を想定する必要があります。実刑判決を免れられるのは,例外的な法律の条件を満たした場合に限られるところです。
そのため,起訴後の対応は,弁護活動に精通した弁護士を通じて適切に行うことで,可能な限り実刑判決を回避する試みを行うべきでしょう。起訴された段階は,適切な弁護士を選ぶべき重要なタイミングと言えます。
ポイント
不同意性交等罪は実刑判決が見込まれやすい
適切な起訴後の弁護活動で実刑判決の回避を目指す必要がある
不同意性交等事件の弁護士を選ぶ基準
①弁護士の専門分野とズレがないか
弁護士には,それぞれ専門としている分野のあることが通常です。いわゆる「民事事件」と「刑事事件」の区別が代表的ですが,弁護士によっては,民事事件をほとんどしていない,逆に刑事事件をしたことがない,という場合も決して珍しくありません。
もっとも,不同意性交等罪の事件では,対応方針を誤った場合の不利益が実刑判決という非常に重大なものになってしまうため,専門性のない弁護士に依頼することは極めてリスクの大きな行為と考えることが適切です。
不同意性交等罪の事件で弁護士を選ぶ場合には,まずその弁護士の取り扱う専門分野に刑事弁護が含まれているか,実際に専門的対応を行った経験があるか,という点を重要な基準とすることをお勧めします。
②スピーディーな対応ができるか
不同意性交等罪の事件は,身柄拘束が伴いやすいところ,刑事事件の身柄拘束には厳格な時間制限のルールが設けられています。そのため,弁護活動は,時間制限に配慮したスピーディーなものであることが必要です。基本的に,必要な対応を数日後に行うというのでは手遅れですし,場合によってはその日のうちに行っても間に合わない手続すらあり得ます。
そのため,弁護士を選ぶ際には,対応の迅速さが確実に見込めるか,という点を基準とすることが有力です。身柄事件の場合には,どのようなスケジュールで接見をしてくれるか,ということを具体的な目安にしてみるとよいかもしれません。
③手続や処分の見通しを説明してくれるか
刑事事件の弁護活動は,その後の流れに関する正確な見通しを踏まえて行う必要があります。見通しが悲観的なものであれば,その見通しを好転させる手段の有無や具体的な弁護活動を考え,依頼者側へ案内する必要がありますし,見通しが良好となった場合にはその旨を依頼者の方へ案内するなどして,安心感ある進行に努める必要があります。
そのため,弁護士の重要な対応の一つとして,事件の見通しに関する説明を欠かすことができません。
弁護士選びに際しては,弁護士が今後の手続や処分の見通しを十分に説明してくれるか,という点を重要な判断材料とすることが有力です。見通しの説明が十分でない場合,必要な説明が尽くされていないと言わざるを得ませんが,単に説明を欠いているのみならず,見通しが持てていない可能性もあるため,注意が必要です。
④弁護士費用の見通しが明確か
不同意性交等罪の事件は,身柄拘束の期間が長くなりやすいため,その分必要な弁護活動も多くなりやすい傾向にあります。そして,必要な弁護活動が多くなれば,その分弁護士費用も高額にならざるを得ません。
弁護士選びに際しては,弁護士費用の検討が不可欠ですが,その弁護士費用があまりに大きくなると,経済的な理由で依頼が困難になる可能性もあり得るでしょう。
そのため,弁護士としても,不同意性交等罪のような事件では,発生し得る弁護士費用について慎重な案内を要するところです。逆に,想定される弁護士費用の金額に触れてこない場合,依頼は慎重に考える必要があります。
なお,費用に関する弁護士側の案内は,どうしても幅のある内容にはならざるを得ないでしょう。「費用が高くつく場合にはこのくらいの金額があり得る」など,ざっくりとした内容であっても極力具体的に指摘してくれるかどうかは,弁護士選びの基準の一つとすることが有力です。
不同意性交等事件で弁護士を選ぶ必要
①速やかな釈放のため
不同意性交等罪の事件では,早期釈放が困難な場合が多く見られますが,ケースによっては速やかな釈放を目指せる場合もあり得ます。もっとも,適切な弁護士選びをせず,漫然と諦めてしまっていると,早期釈放の可能性を見逃し,自らチャンスを手放すことになりかねません。
少しでも早く弁護士の専門的な意見を仰ぎ,正しい見通しのうえで適切な対応をするためには,弁護士を選ぶことが必要です。
②不起訴処分のため
不同意性交等罪の不起訴処分は,認め事件であれば示談の成立が条件となることがほとんどでしょう。そのため,不起訴処分を目指すためには,弁護士を依頼し,弁護士を通じて被害者との示談を目指す必要があります。逆に,弁護士がいなければ示談を試みることもできないため,弁護士に依頼して初めて,示談ができるかどうかのスタートラインに立つことができ,不起訴処分を獲得できる可能性が生じる,という言い方もできるでしょう。
不起訴処分を獲得できれば,実刑判決の可能性もなくなるため,不同意性交等罪で不起訴処分を目指すメリットは極めて大きなものです。不起訴の可能性がある限り,適切な弁護士を選ぶ必要は非常に大きいと考えるべきでしょう。
③刑罰軽減のため
不同意性交等罪のうち,刑罰が避けられない内容・状況の場合は,その刑罰をどれだけ軽減させられるかが重要な問題となります。仮に実刑判決を受けるとしても,その期間が1年違えば,社会復帰のタイミングにダイレクトな影響を与えることとなるためです。
刑罰の軽減を目指す場合,具体的な方法や内容は個別の事情を踏まえて決定する必要があるため,弁護士の専門的な判断が不可欠です。少しでも迅速な社会復帰を目指すため,弁護士選びの必要性は非常に高いでしょう。
④円滑な連絡のため
身柄事件の場合,逮捕勾留されたご本人は,自分で外部と連絡を取ることができません。電話を携帯することも認められないため,連絡を取るための手段は以下のような方法に限られます。
逮捕勾留中に外部と連絡を取る手段
1.手紙の送受
→数日~1週間ほどのタイムラグが避けられない
2.(一般)面会
→時間制限が厳しい。接見禁止の場合は面会自体ができない
3.弁護士の接見
→時間的制限なくコミュニケーションが可能
手紙の送受は現実的でなく,面会の時間制限の中で必要な連絡をすべて取ることも難しいため,ご本人と周囲との連絡には弁護士の接見を活用することが不可欠になりやすいでしょう。
身柄事件で必要な連絡を取り合うためには,弁護士への依頼が適切です。
不同意性交等事件における弁護士選びの準備
①事件の経緯や状況をまとめる
弁護士選びを適切に行うためには,相談相手の弁護士に事件の内容を正確に把握してもらうことが必要となります。そのため,事件の具体的内容は整理して伝えられるようまとめることが有益でしょう。
弁護士が事件の内容の一部を把握しているかいないかで,アドバイスの内容が大きく変わる場合も否定できません。弁護士に誤解が生じることを防ぐため,起きた出来事を漏れなく伝える用意をしておくとよいでしょう。
②悩みや迷いをまとめる
弁護士への相談や依頼に当たっては,弁護士との間で問題意識にズレのないことが重要です。例えば,自分は早期釈放の可能性や方法があるか分からず悩んでいるのに,弁護士側は早期釈放ができないことを前提にその他の話に終始していれば,本当に知りたいことを知ることができないままになってしまいます。実際に早期釈放が難しいとしても,その事実を早期に知ることができれば,弁護士選びの軌道修正もそれだけ早くすることが可能です。
そのため,悩んでいることや迷っていること,弁護士に実現してほしいことなどをできるだけ簡潔にまとめ,弁護士に把握してもらえるよう準備することが望ましいでしょう。
弁護士が依頼者側の希望を正確に把握できれば,弁護士からの案内は依頼者側にとってより有益なものになるでしょう。不同意性交等罪のような重大事件では,依頼によって実現できることとできないことを整理することはより重要になりやすいです。
③早期に相談予約をする
不同意性交等罪の事件は,特に身柄拘束が伴っている場合,手続が進んでしまう前に,早期に弁護活動を開始することが重要になりやすいでしょう。既に行われた手続が,後からなかったことになる可能性がないためです。
そのため,弁護士選びもできる限り早く行う必要があります。まずは,一度早期に相談予約をして,弁護士と相談をする機会を設けるようにしましょう。一度相談をしてみれば,その後に行うべきことがはっきりとわかることも少なくありません。
不同意性交等事件で弁護士に依頼する場合の注意点
①本人が動く必要
不同意性交等罪の弁護士選びは,基本的に当事者本人の意思に沿って行うことが必要です。なぜなら,不同意性交等罪の事件で重要な示談に際して,示談条件を決定するためには本人の意思が不可欠であるためです。
示談は,当事者間の合意とならざるを得ないため,相手方の要求を本人が受け入れられるのか,場合によっては約束違反に対するペナルティを受け入れてでも合意していいのか,という判断が必要です。これらの判断は,本人の意思確認なしで行うわけにいかず,弁護士は本人の意思を踏まえて示談交渉を実施する必要があります。
そのため,弁護士選びに際しては,本人が検討をする必要がある点に注意しましょう。
なお,本人が身柄拘束を受けているなど,本人が動けない場合には,近親者による弁護士選びとなっても問題はありません。その場合は,弁護士が接見を行って直接本人の意思を確認しながら,弁護活動を進めていくことが可能です。
②身柄事件となる可能性
不同意性交等罪の事件は,逮捕や勾留を伴ういわゆる身柄事件となる可能性が非常に高い点に注意が不可欠です。
この点,身柄事件では,弁護士が接見を行って当事者本人と意思疎通を図る必要があるため,弁護士が機動的に対応できる必要があります。また,ご家族等の関係者に分かることやできることに限りが生じやすいため,周囲の人は弁護士と十分にコミュニケーションを取り,弁護士を通じて情報収集や見通しの把握を行うことになります。逆に,弁護士側に必要な情報を提供し,弁護士の判断に役立ててもらうことも必要です。
弁護士選びに際しては,このような身柄事件に特有の動き方を踏まえ,動きを進めるに際して十分な信頼関係を持てる弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
弁護士に連絡することを過度に躊躇してしまう,弁護士からの連絡がなかなかなくてイライラしてしまう,といった状況は,不適切と考えるべきです。
③示談時の経済的負担
不同意性交等罪の事件では,示談による解決が非常に重要なポイントとなりますが,示談には示談金等の経済的負担が必要となります。そして,被害の程度が大きい不同意性交等罪では,示談金等の金銭面の負担が非常に大きくなりやすい傾向にある,という点に注意が必要です。
例えば,相手の合意がないことが明らかな状況で,相手の意思に反して性交をしたような事件では,300~500万円といった高額の示談金で合意することも決して珍しくありません。個別のケースや当事者の経済状況によっては,より高額なお話になる可能性もあり得ます。
また,示談条件として,転居や退職など,その後の生活の経済面に直接の影響を及ぼす合意を求められる場合も少なくはありません。示談金の負担に加え,示談内容を守るための負担も無視できないところです。
不同意性交等罪では,弁護士に依頼して示談を試みるべきことが多いですが,その際の経済的負担にはあらかじめ注意しておくことが適切でしょう。
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藤垣法律事務所代表弁護士。岐阜県高山市出身。東京大学卒業,東京大学法科大学院修了。2014年12月弁護士登録(67期)。全国展開する弁護士法人の支部長として刑事事件と交通事故分野を中心に多数の事件を取り扱った後,2024年7月に藤垣法律事務所を開業。弁護活動のスピードをこだわり多様なリーガルサービスを提供。