児童買春事件で逮捕を避けたい人は自首すべきか?前科を避けたい人は示談すべきか?一般的な刑罰は?弁護士が全て解説

●自分の悩みは児童買春に当たるのか?

●児童買春とパパ活,売春の違いは何か?

●児童買春は警察にバレるのか?

●児童買春は自首すべきか?

●児童買春は逮捕されてしまうのか?

●児童買春は前科がつくのか?

●児童買春で弁護士に相談した方がいい場合は?

といった悩みはありませんか?

このページでは,児童買春について知りたい児童買春で逮捕や前科を防ぎたい,という方に向けて,児童買春に関する法律や弁護活動について解説します。

児童買春とは

児童買春とは,いわゆる児童ポルノ法で禁じられている犯罪行為の一種ですが,その基本的な内容は,

①18歳未満に対して
②対価を渡して
③性的な行為をすること

ということができます。
対価については,金銭に限らず,プレゼントや食事も含まれます。


また,対象となる性行為には,

①性交(挿入)
②性交類似行為(口淫や手淫等)
③性器・肛門・乳首を触ったり触らせたりすること


が含まれます。

児童買春の刑罰は,5年以下の懲役又は300万円以下の罰金とされています。
児童の数や年齢,行為態様など,個別の事情によって,具体的な刑罰が大きく変わる事件類型です。

児童買春とパパ活の違い

一般的に「パパ活」と言われるのは,若い女性が年上の男性から金銭を受け取り,対価としてデートや性行為をするものです。
このパパ活は,児童買春に該当する場合,該当しない場合いずれも考えられるでしょう。

具体的には,まず,①女性側が18歳以上であれば,児童買春に該当することはありません。
児童買春の相手は児童(=18歳未満)であることが必要です。

また,②性交や性交類似行為など,性的な行為がなければ,児童買春には当たりません。
男性から女性に金銭が支払われたとしても,その対価が肉体関係を伴わない程度であれば,児童買春には当たらないことになります。

児童買春と売春の違い

「売春」は,売春防止法で禁じられた違法行為です。
そして,この売春は,対価を得て性交する行為を言います。
売春は対価を受け取る側の行為であり,児童買春は対価を渡す側の行為という区別が可能です。

もっとも,売春と児童買春が対象とする行為は,完全に一致しているわけではなく,以下のような違いがあります

①18歳未満であるかどうか
児童買春は,その相手が18歳未満である場合にのみ成立しますが,売春は18歳以上が行う場合も含まれます。

②対象となる行為が性交に限られるかどうか
売春は,性交する場合のみを対象としますが,児童買春は,性交に至らなくても,性交類似行為や性器等を触る行為があれば成立します。

なお,売春防止法違反の刑罰は,主に売春のあっせんや管理をする行為に対して科せられます。
売春をした人やその相手方になった(買春した)人自身は,基本的に処罰の対象とはなりません。
ただし,やり方によっては罰則の対象になりますし,罰則はなくとも違法な行為であることは間違いありません。

児童買春が警察に発覚する場合

児童買春事件が警察に発覚する経緯としては,概ね以下の場合が挙げられます。

①児童の親権者に発覚し,親権者が警察に相談する場合

いわゆる「親バレ」というものです。親権者の相談を受けた警察は,児童に話を聞くなどして捜査に着手し,SNSでのやり取りなどから被疑者を特定することが考えられます。

②別件捜査の過程で芋づる式に判明する場合

児童は,複数の相手との間で児童買春をしているケースが非常に多いため,別件の児童買春事件で事情聴取を受けた児童やそのスマートフォンの履歴などから,事件の存在が発覚する場合があります。

③児童が補導され,警察に事情聴取された際に発覚する場合

児童が夜間の外出や不適切な場所への出入り等を行い,警察に補導されると,事情聴取として素行の確認をなされる場合があります。
そのとき,児童買春の事実が発覚し,捜査の対象となる可能性が考えられます。

児童買春事件は,上記各場合のように,児童と警察との接触が捜査のきっかけになる場合がほとんどです。
そして,児童と警察が接触する可能性があるか,という点は,完全に児童の日常生活に依存するため,自分の努力で児童買春の発覚を防ぐことは非常に困難と言わざるを得ないところがあります。

児童買春と自首

児童買春をしてしまったものの,まだ警察からの捜査を受けていない場合,今後の逮捕が心配という人は少なくないと思います。
そのときの選択肢としては,自分から警察に出頭して犯罪事実を述べること,つまり自首が考えられます。

自首のメリットデメリットとしては,以下の点が挙げられます。

【メリット】
①逮捕される可能性が下がる
②刑事処分が軽減されやすくなる
③被害届が出ていないと分かる可能性がある

【デメリット】
①事件が発覚せずに済む可能性がなくなる
②やり方を検討する負担や実行する負担が大きい

一般的な児童買春事件であれば,自首が成立する場合に逮捕されることは考えにくくなるでしょう。
また,最終的な処分も,不起訴を含む軽微なものになる可能性が大きくなります。
事件が発覚せず終わる可能性を自分から放棄することにはなりますが,非常に有力な手段であると言えます。
もっとも,具体的にどうするかをご自身で検討したり実行したりすることは難しいので,自首を検討する場合には弁護士へのご相談をお勧めいたします。

児童買春と逮捕

児童買春事件は,逮捕をされる可能性が相当程度考えられる事件類型です。

類型的に余罪の存在が疑われやすい事件のため,相当数の余罪があると思われる事件では,余罪を含めた罪証隠滅を防ぐ目的で逮捕される可能性があります。
また,児童の年齢が特に低い場合や,捜査対象となる件数が多い場合には,事件の重大性などを踏まえて逮捕される可能性があります。

一方,児童の年齢が18歳に近く,捜査対象となる事件が1件であるなど,悪質性が高くはないと判断されれば,逮捕されずに在宅事件として取り扱われるケースも多く見られます。

個別のケースで逮捕されるかは,具体的な判断が必要となるため,児童買春事件で逮捕が懸念される場合には弁護士へのご相談が有力でしょう。
弁護士への相談や依頼を実施すれば,あわせて逮捕を避けるための試みについても案内を受けることができます。

児童買春と前科

児童買春事件は,起訴されて前科がつくことになる場合が多く見られます。
一般的には,悪質とは言えない事件でも罰金刑などの刑罰を受けることが見込まれやすいでしょう。
罰金となる場合には,公開の裁判(公判)をせずに罰金とする略式手続が取られるのが通常です。

一方,児童の年齢が低い,件数が多いなど,悪質と評価される事件では,略式手続では済ませられず,公判の対象となることが考えられます。
公判に至った場合には,執行猶予を含む懲役刑の対象となることが見込まれるでしょう。

児童買春事件では,積極的に前科を避けるための動きを取らない限り,前科がつきやすいと言えます。
前科を避けたい場合には,児童側との示談を行い,児童側の宥恕(許し)を獲得することが必要になりやすいです。

児童買春の示談

児童買春事件で処分の軽減や不起訴を目指す場合には,示談の試みが非常に重要となります。
示談を試みる際の一般的な方法は,以下の通りです。

①弁護士が被疑者の方などから依頼を受ける
②弁護士から捜査機関に連絡し,示談の申し入れをしたい旨伝える
③捜査機関から児童側に連絡をし,示談のお話合いが可能か意向を聞く
④児童側の了承が得られれば,弁護士と児童側(通常は親権者)との連絡先交換をする
⑤弁護士と児童側が交渉をする
⑥合意に至れば,示談を取り交わす

示談は,捜査機関に申し入れる方法で試みますが,当事者同士を引き合わすことは認めてもらえないため,弁護士を通じて,弁護士限りでの交渉を申し入れることが必要です。
示談を試みる場合には,弁護士への委任を行うようにしましょう。

ただし,児童買春の事件で示談を行う場合には,注意点があります。
それは,示談をしたからといって必ずしも不起訴になるわけではない,ということです。

そもそも,示談によって不起訴になるのは,犯罪の被害者が,その被害に対する刑罰を希望しないためです。
これは,犯罪によって生じる被害が,その個人に対する被害のみであることを前提にしています。
窃盗罪であれば,被害者個人の財産だけが犯罪の被害であるから,被害者が刑罰を希望しなければ不起訴になる,というわけです。

しかし,児童買春の事件は,犯罪によって生じる被害が個人の被害だけではないと理解されています。
具体的には,児童の個人的な被害に加え,社会の秩序が乱された(社会的法益の侵害)という面もあるのです。
そのため,児童や親権者だけが許したとしても,社会の秩序が乱されたという点については許されておらず,必ずしも不起訴になるわけではありません。

そのため,児童買春事件で示談を試みる場合には,示談をしても不起訴になると決まるわけではないという点にはあらかじめ留意しておくようにしましょう。

児童買春における弁護活動

児童買春事件の弁護活動としては,以下の内容が挙げられます。

①逮捕や勾留を防ぐ弁護活動

児童買春の事件は,逮捕されるかどうかがケースにより様々です。また,弁護活動次第では逮捕や勾留を防ぐことができる場合もあります。
それらの判断は,刑事事件に精通した弁護士にご依頼の上,個別の事情を踏まえて行ってもらいましょう。そして,弁護活動によって逮捕や勾留が防げる可能性のある場合は,あわせて弁護活動に着手してもらうのが適切です

②示談交渉・締結

児童買春事件で,事後的に処分の軽減を図る手段としては,やはり示談が最大の効果を持ちます。
示談をすれば不起訴になる,というほど単純ではありませんが,示談以上に不起訴の可能性を高めてくれるものは他にありません。
もっとも,この示談交渉や締結は,弁護士に依頼しなければ現実的には行うことができないため,弁護士に依頼の上,示談の試みを行ってもらうことが適切でしょう。

③自首同行

後日逮捕が懸念される場合,先手を打って自首を行うことで,後日逮捕を回避できる可能性が高くなります。
そして,弁護士に依頼し,自首に同行してもらうことで,適切な方法での自首が容易になり,逮捕回避や処分の軽減につながる可能性をより高くすることも可能です。
自首を検討する場合には,弁護士と同行する手段もあわせて検討されることをお勧めします。

④取調べ対応の協議・助言

捜査に際しては,警察や検察から取調べを受けますが,その際にどのような対応・返答をすべきか,という点は簡単な問題ではありません。
特に,発覚していない余罪があったり,取調べの手法が過激だったりする場合には,対応に困ることも少なくないでしょう。
弁護士へ依頼し,それらの不安を率直に相談されることで,弁護士と対応方針の協議をすることや弁護士からの助言を受けることが可能です。

児童買春事件に強い弁護士をお探しの方へ

児童買春は,件数・内容・程度・捜査状況等,様々な事情によって取り扱いや見込みが大きく変わってくる可能性のある事件類型です。
そのため,適切な対応を取るためには,児童買春事件に精通した弁護士へのご相談が非常に重要となってきます。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
児童買春事件でお困りごとがある方は,お早めにお問い合わせください。

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