【風俗トラブル(盗撮トラブル)の示談を知りたい人のために】示談の方法・金額・注意点を完全解説

このページでは,風俗トラブル(盗撮トラブル)の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

風俗トラブル(盗撮)で示談は必要か
風俗トラブル(盗撮)における示談のメリット
風俗トラブル(盗撮)で示談をする方法
風俗トラブル(盗撮)の示談金相場
風俗トラブル(盗撮)の示談内容・条項
風俗トラブル(盗撮)の示談で注意すべきこと
風俗トラブル(盗撮)の示談に必要な費用

風俗トラブル(盗撮)では示談すべき?

風俗サービス中に,キャストが着衣を着けないでいる姿を撮影しようと試みた場合,これが発覚してトラブルになることがあります。
このような風俗店での盗撮トラブルに関しては,示談をすべき必要が非常に大きい類型と言えるでしょう。
その理由としては,以下の点が挙げられます。

①風俗での盗撮トラブルは犯罪

風俗店での盗撮行為は,「性的姿態等撮影罪」という犯罪に該当します(2023年7月13日以降)。そして,この性的姿態等撮影罪は,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰の対象になります。
風俗店でのサービスは,キャストが自分の意思で着衣を着けない状態になるため,撮影行為が盗撮であるという感覚が薄れがちですが,キャストが了承しない撮影行為は性的姿態等撮影罪が成立する犯罪行為に該当します。

そのため,風俗店での盗撮トラブルが刑事事件として捜査された場合,刑罰の対象となる可能性は十分に考えられます。刑罰を受ければ前科が付くことになるため,捜査や刑罰の対象となることは可能な限り防ぐべきです。

この点,風俗トラブルに関して当事者間で示談が成立した場合,盗撮事件として捜査や刑罰に発展することは基本的になくなります。盗撮行為が犯罪として処分されることを防ぐためには,示談が必要と考えて差し支えないでしょう。

②風俗トラブルで特に示談が必要な理由

盗撮事件の中でも,風俗トラブルでは特に早期の示談が必要となりやすい傾向にあります。その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

【周囲に発覚する不利益が非常に大きい】

風俗トラブルの場合,自分が風俗店を利用している際のトラブルであることが明らかであるため,特に配偶者がいる立場の人にとっては,家族に発覚する不利益が極めて高くなります。家族への発覚を防ぐためには,家族に影響が生じないうちに,早期で穏便な解決を図る必要がありますが,そのような解決を実現できる手段は示談以外に考えにくいでしょう。

また,風俗トラブルが生じた場合,身分を証明する書面の提示を求められることが大多数です。店舗側は,職業や勤務先も含めて把握することで,逃げ得を防止しようとします。
そのため,風俗トラブルは勤務先への悪影響も強く懸念されやすいところです。風俗トラブルが勤務先に発覚することは確実に避けるべきですが,その具体的な方法はやはり早期の示談になるでしょう。

【相手からの請求を防ぐ利益が非常に大きい】

風俗トラブルでは,店舗側が金銭的に満足できるかどうか,という点が店舗側の方針を大きく左右する傾向にあります。金銭的な満足が得られれば円滑に解決しやすい一方,金銭的に満足できていない状況だと強く金銭を請求してくることがあります。

この点,風俗トラブルにおける店舗側からの金銭請求は,方法や内容が客側の恐怖を募らせるものになることも少なくありません。店舗側は金銭請求の経験に長けているため,どのように請求すれば支払いやすいかも感覚的に理解していることが多く,請求を受ける側にとっては心理的圧迫が大きくなりやすいでしょう。

店舗側からの請求に強い不安や恐怖を感じ続ける事態を避けるためにも,風俗トラブルでは早期に示談することが必要です。

風俗トラブル(盗撮)で示談するメリット

風俗での盗撮トラブルでは,捜査や処分の対象になる前に示談を行うメリットが非常に大きいです。具体的には,以下のようなメリットが挙げられます。

①刑罰を防げる

風俗店での盗撮行為は,いわゆる盗撮罪に当たる犯罪行為のため,罰金をはじめとする刑事罰の対象になり得ます。風俗サービス中の盗撮行為の場合,その証拠を現行犯で押さえられていることが多く,捜査されれば処罰に足りる証拠は十分に確保できてしまうでしょう。

そのため,風俗での盗撮トラブルでは,警察の捜査に発展する前に示談で解決することによって,刑罰を防げるメリットが非常に大きくなりやすいです。
風俗トラブルは,まず当事者間(又は店と客の間)でのやり取りから始まり,いきなり警察が介入するわけではないという点が非常に特徴的ですが,これは,警察が介入する前に解決するチャンスが十分にある,ということでもあります。

②逮捕を防げる

現行犯で盗撮事件が発覚した場合,証拠隠滅や当事者間の接触を防ぐため,逮捕される可能性があります。逮捕をされると,少なくとも当日は帰宅することができず,現実的に周囲への発覚を防ぐことは難しくなりやすいです。

この点,逮捕を防ぐ最も端的な手段は,逮捕される前に当事者間で解決することです。示談により当事者間で解決していれば,その事件で捜査を行う必要はなくなり,逮捕される可能性もなくなるということができるでしょう。

逮捕の有無はその後の生活を大きく左右するため,逮捕を防げるという示談のメリットは極めて大きなものと言えます。

③店からの請求を防げる

風俗トラブルでは,店側からの度重なる請求に大きな精神的負担を強いられるケースが少なくありません。店側としても,被害者であるキャストの損害を客に埋め合わせさせるため,強い態様で繰り返し請求することになりやすいです。

このような店からの金銭請求は,示談によってすべて防ぐことが可能です。示談を取り交わすときには,今後一切の請求をしないことを約束することになるため,示談後に金銭を請求することはできません。
店舗との関係を速やかに断ち切りたい場合には,示談での解決が極めて有益でしょう。

④家族や職場への発覚を防げる

示談での解決は,風俗トラブルが周囲に発覚することの回避にもつながります。風俗トラブルが周囲に発覚するのは,店舗側から客への請求行為が周囲に発覚する,というのが主な経緯ですが,示談によって店舗側からの請求もなくなるため,家族や職場にトラブルが知られる可能性はなくなるでしょう。

また,示談の際に適切な内容を取り交わせば,方法を問わず周囲にトラブルが発覚するような行為を相手に禁じることが可能です。

ポイント 示談のメリット
刑罰を受ける可能性がなくなる
逮捕される可能性がなくなる
店からの請求がなくなる
家族や職場に発覚されず解決する

風俗トラブル(盗撮)で示談をする方法

風俗トラブルの解決は,店舗の代表者との間で話し合うことが一般的です。盗撮事件の当事者はキャスト個人ですが,キャストが直接話し合いに応じることはあまりなく,キャストを代理して店舗代表者が窓口対応するのが大多数でしょう。

風俗サービス中の盗撮トラブルが発覚した場合,店舗代表者がサービス中の客室に訪れ,その場で解決の話し合いがスタートする例が多く見られます。この時,できる限りその場で合意をしたり金銭を支払ったりしないようにするのが賢明です。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです。

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,連絡先を交換して速やかに連絡する旨を伝えた上で,できるだけ早く弁護士に相談・依頼をするようにしましょう。弁護士が依頼を受けた後は,弁護士がご自身の代理人として店舗代表者と連絡を取り,示談の話し合いを開始することが可能です。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

風俗トラブル(盗撮)の示談金相場

風俗店での盗撮トラブルの場合,示談金額はケースによって様々ですが,概ね20~80万円ほどで合意する例が多く見られます。
解決金額に幅が生じやすい点は,風俗トラブルの特徴の一つでもありますが,金額の変動要因としては以下のような事情が挙げられます。

示談金の増額要因

客側が早期解決を希望している
店舗側が法的手続を辞さない方針である
発覚時にキャストとの間でもみ合いなどのトラブルが起きている
一定の金額を支払うことをその場で約束した

示談金の減額要因

客側が賠償金額の上限を設けている(上限を超えれば示談を諦める)場合
店舗側が早期解決を希望している
キャストや店舗側に不適切な行為があった

なお,風俗トラブルの示談は,「お金で解決する」という側面が強い分野でもあります。感情的に許すかどうかというより,金額が満足できるものかという基準で判断されることが多いため,単純に金額が大きいほど示談に至りやすい傾向が見られるところです。
そのため,風俗トラブルの場合は,支払う側に示談を希望する気持ちが強ければ強いほど高額の示談になりやすいでしょう。裏を返せば,金銭的負担が大きければ大きいほど迅速円滑な解決がしやすい,ということもできます。

ポイント
風俗店の盗撮トラブルは,20~80万円ほどの合意が多く見られる
風俗トラブルの示談はお金で解決する側面が強い

風俗トラブル(盗撮)の示談内容

風俗店での盗撮トラブルで示談を行う場合の内容には,以下のものが挙げられます。

【確認条項】

客側の支払うべき金額を確認する条項です。当事者間で合意した金額を明記することになります。

【給付条項】

金銭をどのように支払う(給付する)のかを定める条項です。
風俗トラブルの場合,現金の手渡しでの解決が多く見られます。弁護士と店舗代表者の間で,面談の上で示談書の取り交わしと金銭の支払いを同時に行い,その場で解決するという流れが代表的です。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。清算条項を設けることで,その後に請求を受ける恐れがなくなります。

【口外禁止】

トラブルや示談の内容を第三者に口外しない,という条項です。風俗トラブルの場合,周囲への発覚を避ける必要が大きいので,客側が安心を得るためには非常に重要な条項となります。

【個人情報の処分】

主に,店舗側が得た客の個人情報を廃棄・処分するという内容の条項です。店舗は,風俗トラブルの発生時に客の免許証や保険証を確認するなどして住居や勤務先を把握することが多いため,免許証や保険証の廃棄を約束してもらうことが重要になります。
一方,客が撮影した内容の消去など,客側が適切な処分をすることを盛り込む場合もあります。

【店舗の利用禁止】

店舗側の要望で,今後の利用禁止を約束する場合があります。利用禁止を求められた場合には,拒否するメリットに乏しいため応じるのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談で注意すべきこと

風俗店での盗撮トラブルでは,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①お店とだけ示談しても不十分

風俗トラブルの場合,キャスト個人でなく店舗の代表者が窓口となって示談交渉するのが通常です。ただ,あくまで事件の当事者は客とキャストであり,キャストとの間で示談ができなければ示談としては不十分と言わざるを得ません。
厳密には,「客とキャスト」「客と店舗」それぞれとの間で示談をかわすことが必要です。店舗との間でだけ示談ができても,キャストとの間では何も解決できていないため,その後にキャスト個人から金銭を請求されるリスクが残ります。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(盗撮)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
性的姿態等撮影罪が成立
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の盗撮トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の盗撮トラブルでは,20~80万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

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