不倫の慰謝料請求と同時に弁護士費用も相手に請求できる?費用の内訳や相談するメリットなどを解説

夫もしくは妻の不倫が発覚し、怒りや悲しみに溢れて慰謝料請求を検討している方もいるのではないでしょうか。

泣き寝入りせず、正当な権利を主張するためにも慰謝料請求を行う必要がありますが、弁護士に相談すると費用がかかるのも事実です。

できれば弁護士費用も請求したいところですが、実際にできるのかどうか気になるでしょう。

本記事では、不倫の慰謝料請求と同時に弁護士費用も相手に請求できるのかをご紹介し、費用の内訳や相談するメリットなども解説します。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

不倫の慰謝料請求と同時に弁護士費用も相手に請求できるのか

不倫の慰謝料請求はできたとしても、弁護士費用も相手に請求できるのかどうか気になるところでしょう。

ここからは、以下2つについて深掘りしていきます。

  • 弁護士費用は原則依頼人が負担する
  • 判決で終了した場合は請求できる

弁護士費用は原則依頼人が負担する

結論から言えば、弁護士費用は原則として依頼人が負担することになっています。

これは、日本の法律において訴訟費用の原則自己負担という考え方があるためであり、不倫のような不法行為に基づく慰謝料請求であっても、弁護士に依頼した費用を加算して請求することは基本的には認められていません。

弁護士が争っている相手から弁護士費用として費用を徴収すると、弁護士が自身の依頼人にとって不利益な代理人活動をしてしまう恐れがあるからです。

そのため、不倫相手への慰謝料請求を考えている場合は、弁護士費用の負担を踏まえたうえで戦略を立てることが重要です。

判決で終了した場合は請求できる

原則として、弁護士費用は依頼者が自己負担するものとされていますが、裁判において判決で終了した場合には、一定の範囲で弁護士費用の請求が認められる可能性があります。

具体的には、裁判所が慰謝料の金額を決定する際、弁護士費用を「損害の一部」として認めることがあり、その目安は一般的に認められた慰謝料の1割程度です。

たとえば、裁判によって300万円の慰謝料が認められた場合、弁護士費用相当分として30万円程度が加算される可能性があります。

だし、これは訴訟を経た場合に限られるものであり、示談や交渉の段階では弁護士費用を加えた請求は認められにくいのが実情です。

不倫の慰謝料請求に伴う弁護士費用の相場

不倫の慰謝料請求に伴う弁護士費用の内訳は、主に以下の通りです。

  • 相談料:無料〜10,000円
  • 着手金:20〜40万円
  • 報酬金:経済的利益の10~20%
  • 実費:1〜5万円
  • 日当:1時間あたり1~3万円

詳しく解説します。

相談料:無料〜10,000円

不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼する際、最初に発生するのが相談料です。弁護士に正式に依頼するかを判断する前に、法律的な見解や具体的な手続きを確認するためにかかる費用となります。

最近では、相談料を無料に設定している弁護士事務所も多く、一定時間内であれば費用がかからないこともあります。

ただし、無料相談の時間は限られていることが多く、15分から30分程度の短時間となることが一般的です。

大手の法律事務所や著名な弁護士の場合、1時間あたりの相談料が1万円ほどかかるところもあるため、事前に相談料は確認しておきましょう。

弊所では、原則としてご相談費用は頂戴しておりません。同一の件で複数回のご相談となる場合は,2回目以降30分につき5,500円のご相談料を頂戴しております。

着手金:20〜40万円

不倫の慰謝料請求を弁護士に正式に依頼する際、最初に発生するのが着手金です。

着手金とは、弁護士が案件の対応を開始するために必要な費用であり、依頼者が結果にかかわらず支払うものです。

そのため、たとえ慰謝料の回収に成功しなかったとしても、返還されることはありません。

不倫の慰謝料請求に関する着手金の相場は、おおよそ20万円から40万円程度が一般的です。

交渉段階のみで解決を図る場合には比較的低めの費用となることが多く、10万円から20万円程度に設定されるケースもあるでしょう。

弊所では、慰謝料請求の交渉を行う場合の着手金は22万円(税込)にて承っております。

報酬金:経済的利益の10~20%

不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、成功報酬として支払うのが報酬金です。

報酬金は、慰謝料の回収が成功した場合にのみ発生する成果報酬型の費用であり、着手金とは異なり、請求が認められなければ支払う必要はありません。

そのため、依頼者にとっては実際に得られる金額とのバランスを考慮しながら弁護士を選ぶことが重要です。

報酬金の相場は、獲得した慰謝料の額に応じて決まるのが一般的です。多くの法律事務所では、回収額の10%から20%程度が相場とされています。

たとえば200万円の慰謝料を獲得した場合、20万円から40万円程度の報酬金が発生することになります。

報酬金の割合は事務所によって異なり、交渉段階のみで解決した場合には低めに設定され、訴訟を経て判決で慰謝料が認められた場合には高めに設定されることが多いです。

弊所では、基本的な報酬は,経済的利益の11%+22万円(税込)となっております。

実費:1〜5万円

実費とは、弁護士が案件を進めるために必要となる各種の経費です。

基本的に依頼者が負担するもので、これには、裁判所への手数料や郵送費、交通費などが含まれ、事務所によってはあらかじめ見積もりを提示する場合もあります。

具体的な費用相場として、まず裁判を起こす際に必要となる訴訟費用があります。

慰謝料請求の訴訟を起こす場合、裁判所に納める収入印紙代は、請求額によって異なりますが、おおよそ1万円から3万円程度です。

加えて、裁判所から相手に訴状を送達するための郵便切手代が必要で、これも数千円から1万円程度かかるのが一般的です。

交渉での解決となる場合、1~3万円程度が多い傾向にあります。

日当:1時間あたり1~3万円

日当とは、弁護士が依頼者のために裁判所への出廷や遠方での交渉などに対応する際に請求される費用のことで、移動時間や拘束時間に応じて設定されるものです。

日当の費用相場は、対応する業務内容や移動距離などによって変動しますが、基本的に半日で3万円程度かかる場合が多い傾向があります。

1日対応するとなれば、その分費用がかかるため、日当の具体的な料金については事前に確認しておくことが重要です。

事務所所在地の最寄り駅(大宮駅)から目的地までの移動時間を基準に、30分につき5,500円の日当を頂戴しております。もっとも出張を要しないケースも多いため、発生しない場合は少なくありません。

慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットは、主に以下の通りです。

  • 不倫相手との交渉をスムーズにできる
  • 精神的な負担を抑えられる
  • 法的観点からのアドバイスを受けられる

詳しく解説します。

不倫相手との交渉をスムーズにできる

不倫問題における慰謝料請求では、当事者同士で話し合いをしようとしても、感情的になりやすく、冷静に交渉を進めるのが難しくなります。

特に不倫相手が請求自体を拒否したり、責任逃れの発言をしたりするケースでは、当事者間の話し合いだけでは解決に至らないことが多いです。

そのような状況でも、弁護士が代理人として交渉を行うことで、法的根拠に基づいた適切な主張が可能となり、相手が感情的になって話し合いが進まないという事態を回避できます。

また、一般的に弁護士から正式な通知書や内容証明郵便が送付されると、相手も事態の深刻さを認識し、無視や開き直りといった対応を取りづらくなります。

精神的な負担を抑えられる

精神的な負担を抑えられるのも、弁護士に慰謝料請求を依頼するメリットです。

特に不倫相手が開き直ったり、責任を認めなかったりする場合、交渉自体がストレスとなり、冷静に話を進めることが難しくなります。

また、慰謝料請求には法律の知識が必要となるため、素人が一人で対応するには大きな不安が伴います。

不倫相手やその代理人から法的な主張をされた場合、どう対応すべきか分からず、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

しかし、弁護士が代理人となることで、依頼者自身が直接やり取りする必要がなく、適切な対応をすべて任せることが可能です。

不安を抱えることなくスムーズ交渉を進められるようになるでしょう。

法的観点からのアドバイスを受けられる

不倫の慰謝料請求には民法上のルールが関係し、請求できる条件や相場、証拠の要件などが明確に定められています。

しかし、一般の人がこれらを正しく理解し、適切に対応することは容易ではありません。

弁護士に依頼すれば、まず自分の状況が法律上どのように評価されるのかを確認でき、請求が可能かどうか、どの程度の慰謝料が見込めるのかを具体的に把握することが可能です。

さらに、法的アドバイスを受けることで、相手との交渉の進め方や、裁判になった場合のリスクについても正しく理解できるのも大きなメリットです。

慰謝料請求したいけど弁護士費用が払えない場合はどうすればいい?

中には慰謝料請求したいけど金銭的に余裕がなく、弁護士費用が払えない方もいるでしょう。

そのような方は、主に以下2つの方法を試すのがおすすめです。

  • 法テラスの利用
  • 分割払いに対応している弁護士事務所を利用する

法テラスは、経済的に余裕がない人でも弁護士に相談し、必要に応じて代理人を立てることができる公的な制度です。

収入や資産が一定の基準を満たしていれば、弁護士費用を立て替えてもらうことができ、分割払いでの返済が可能となります。

また、弁護士事務所の中には、依頼者の経済状況を考慮し、弁護士費用を分割で支払うことを認めている場合があります。

特に不倫慰謝料の請求では弁護士費用が高額になりやすいため、分割払いの相談をしてみるのも良いでしょう。

原則着手金は基本的に着手段階で必要となるところですが、ご事情や交渉状況によっては金額や支払方法を柔軟に調整させていただける場合もございます。まずはご相談いただければ幸いです。

不倫の慰謝料請求に関するご相談は弁護士へ

不倫の慰謝料請求と同時に、弁護士費用も請求するのは、基本的にはできません。

ただし、裁判までいって裁判所が慰謝料の金額を決定する場合のみ、弁護士費用を「損害の一部」として10%程度請求できます。

弁護士に相談する前に、費用の内訳を把握しておき、どのくらいの費用がかかるのか理解しておきましょう。

もし不倫の慰謝料請求を行いたいのであれば、弁護士に相談するのがおすすめです。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

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